原子力

核融合

放射性物質 核分裂 天然原子炉 
核融合とは?
核融合とは、水素のような軽い原子核どうしがくっついて(融合して)、ヘリウムなどのより重い原子核に変わることです。
図のように水素の仲間(同位体)である重水素(D)と三重水素(T)の原子核が融合するDT核融合反応では、ヘリウムと中性子ができます。




原子核とは?
物質の構成単位は分子または原子です。図に示すように、水の分子(H2O)は、2個の水素原子と1個の酸素原子からできています。その原子もさらに分解することができます。 水素の原子は、陽子1個からなる原子核とそのまわりを廻る電子1個からできています。




三重水素(T:トリチウム)とは?
三重水素(T)は水素の仲間で、トリチウムとも言います。
図に示すように、水素の仲間(同位元素)には、水素、重水素と三重水素があります。
これらの水素の同位元素の原子核の中の陽子の数は1個で、中性子の数が異なります。
トリチウムだけが、弱い放射能を持っていて、原子核の中の中性子の1個が陽子に変わりヘリウムになるときに、電子1個を放出します。この電子線はベータ線と呼ばれる放射線です。


核融合が起こるとどうなるの?
核融合反応が起こると、非常に大きなエネルギーが発生します。
これは、図に示すように、融合反応が起きる前の重水素(D)と三重水素(T)の重さ(質量)より、融合反応が起こった後のヘリウムと中性子の重さの方が軽いので、その差の分だけの質量がエネルギーに変わるからです。
その際には、有名なアインシュタインのエネルギー E が質量 m と等価であるという原理(E=mc2)により、わずかな質量が非常に大きなエネルギーに変わります。




「非常に大きなエネルギー」とは、どのくらいの大きさなの?
たった1グラムの DT 燃料の核融合反応から発生するエネルギーは、タンクローリー1台分の石油(約8トン)を燃やしたときと同じだけの熱に相当します。
この核融合エネルギーを発電などに利用するために核融合研究を行っています。








どうしてエネルギーが必要なの?
20世紀に入り、産業・経済のめざましい発展が続き、私たちはとても高度で豊かな暮らしができるようになりました。
今後、世界中の人達が私たちと同じような暮らしをするようになり、さらに人口が増加すると人類のエネルギー消費量は、急激に増えてゆくことになります。
このエネルギー需要の増加を満たすひとつの候補が核融合エネルギーというわけです。


なぜ核融合エネルギーなの?
核融合を地上で実現できれば、人類は恒久的なエネルギー資源を手に入れることになります。
DT燃料だけをとっても、Tの原料となるトリチウムを海水中から回収すると一千万年以上の資源量があると計算されています。
核融合に必要な燃料の資源は、地球上に偏在することなく、豊富に存在します。
また、核融合反応は二酸化炭素や窒素酸化物などを放出することがないため、地球温暖化や酸性雨を引き起こしません。
DT核融合反応の結果生まれる中性子によって装置の一部が放射能を帯びますが、それは百年程度で百万分の一以下に弱まるので、環境に与える影響を低くできます。


核融合は自然界にありますか?
もっともわかりやすい例が、さんさんと輝く太陽や夜空に輝く星です。太陽は50億年以上も前から輝き続けています。そしてあと50億年程度輝き続けると予想されています。


プラズマって何?
温度の上昇とともに物質の状態は一般に固体から、液体、気体へと変化してゆきます。
さらに高温では、原子核のまわりを廻っている電子がはぎとられて原子は正の電荷を持つイオンと負の電荷を持つ電子に分かれて(イオン化といいます)、両者が高速で不規則に運動している状態になります。この状態をプラズマといいます。
核融合では、温度が数億度に及ぶ超高温プラズマが対象となります。
プラズマは雷やオーロラなど自然界に広く存在しますが、身近な例としては蛍光灯などの希薄な気体中の放電によって作られるプラズマがあります。






どのようにすれば核融合反応を起こすことができるの?
核融合反応は、2つの原子核どうしを衝突させて融合するものです。
原子核は両方とも正の電荷を持っているため、早いスピードでぶつけないと正の電荷どうしの反発力で衝突しません。衝突させるために必要なスピードは、毎秒1千km以上です。
このスピードは重水素(D)と三重水素(T)を1億度以上の温度に加熱することにより得られます。
このような高温では、DとTはプラズマという状態になっています。
1回の核融合反応が起こっても、その結果出てくるエネルギーが次の核融合反応を起こすために他の原子核を1億度以上に加熱するのに使われなければ、核融合反応は連続的に起こりません。
そのためには、核融合の燃料である原子核を「たくさん(高い密度で)」、「長い時間」一定の領域に閉じ込めておくことにより、核融合反応を連続して起こすことができます。


ここまで
量子科学技術研究開発機構

核融合というのは水素やヘリウムのような質量の軽い元素の最小単位、原子(げんし)が二つ、原子核の状態同士で結合し、より質量の重い一つの原子核に変化する反応のことをいいます。原子核というのは原子の大半を構成している粒子のことです。この核融合反応が起きると大量のエネルギーが発生することが知られています。核融合発電はこの放出される大量のエネルギーを利用しようというものです

核融合と核分裂ともに原子力と言われるものだが違いは
原子核が融合する事でエネルギーを生み出す核融合
原子核が分裂する事でエネルギーを生み出す核分裂
原子核の中にある陽子や中性子が分裂したり融合したりする反応
だから原子自体が変化してしまう。
その際に莫大なエネルギーが発生する。
核分裂では重い原子に中性子をぶつけて軽い原子を作る事でエネルギーを得ていました。核融合は逆で軽い原子がぶつかって重い原子を作る事でエネルギーを得ている。


核融合では水素から鉄までの原子が発生する。基本的には鉄よりも重い原子は核融合では作られない。
鉄よりも重い元素は核融合反応が終わった恒星が様々な原子を引き寄せて恒星の中心部にある鉄元素が崩壊してしまう。
温度・圧力が高まると、陽子は電子と衝突して中性子に変化し、このときに「ニュートリノ」を放出する。
超新星爆発が起こります。

熱核融合で発生する熱エネルギーはウランの4.5倍
石油燃焼の8000万倍に達します


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